ソフィーのアトリエ2感想

ソフィーのアトリエ2をクリアした。難易度はHARDで、ラスボス直前まででサブストーリーもほとんど全て終わらせるペースで進めて58時間くらい。

戦闘

シナリオの戦闘は各ボスで1回詰まっては上位武器を作って再戦するという感じだった。サポートガードがあるのでボスの強攻撃を食らっても即全滅ということはほとんどないが、ボスのHPがそのへんの雑魚と比べて圧倒的に高いので、火力が足りないとジリ貧になって負けてしまう。普通のガードはタイミングが難しいのと、ガードしたところでズメイ以外のボスは全体攻撃をしてくるので、護符はおまけ程度に考えて基本的に火力とデバフで押し切る戦略を取っていた。ズメイはディーボルトの防御力をめちゃくちゃ上げて、守護の護符で攻撃を引きつけるようにして倒した。最後のエルヴィーラ戦はブレイク状態でアインツェルカンプを叩き込むと20000ダメージくらい入ることが分かったので、オーラダメージ超を発現した終末の種火をソフィーに2個持たせて、ブレイクしたら情け無用の一撃付きのドラゴフラムとバーニングロッドで殴り、DGが溜まってたらアインツェルカンプという脳筋戦略で倒した。終末の種火がオーラを10+4+1くらい削るので、ツインアクションで一刀両断も食らわせると20くらいなら1ターンでブレイクできる。ていうか終末の種火に青をまったく入れないとMP消費が発現しないのでタダで撃てるんだけど、これって想定通りなのかな……。

ブレイクさせて高火力を叩き込むムーブはいかにも不思議シリーズという感じで気持ちいい。ツインアクションでガンガン攻撃できるシステムも良い。デバフもツインアクションで1ターン2回スキルを叩き込んでると結構付けられるので便利。ノックバックも不思議・秘密シリーズ通じて強い作品が続いてるので今回も狙いに行ったけど、どれだけノックバックしたかが見えづらいこともあって最後まで効果はよく分からなかった。たまにターンを得したと感じることはあったので無駄ではないっぽいけど……。オーラブレイクに関しては、ブレイクさせたいなら通常攻撃回数を増やした武器で通常攻撃するほうがスキルを当てるより得ということにラスボスに1回負けてから気づいたけど、その時点で既に終末の種火を作れるようになっていたのであまり活用はしなかった。

戦略としても結構使ってるしツインアクションのシステムは総じてかなり好きなんだけど、スキルのダメージが低めで同じことを繰り返しがちになってしまうのはちょっと飽きるなあと思った。特にアトリエは攻撃モーションが長めなのでターンとターンの間で思考が途切れてしまい、余計に疲れてしまう。一番最初のエルヴィーラ戦とズメイ戦はスキル中心に戦ったこともあって長引いてしまい、ツインアクションそのものの爽快感の割にはアトリエっぽい(というか不思議シリーズっぽい?)パズル的な勝ち筋の快感は弱いと感じた。2回ツインアクションを使うことで1人を実質2回以上動かすこともできるので、同じような動きを繰り返しがちになってしまうというのも単調さを増してる原因のように思う。

錬金

リンク調合と触媒のおかげで、割と雑に配置しても高めの効果が発現できるのが楽しい。特に中盤以降はフィールドを歩きながら適当に大採取をしているだけでリンク成分多めの素材が大量に手に入るので、グロリアかリミティア+リンク成分化+素材追加投入を発動すれば大抵のことはできる。特性はあまりこだわってないけど十分強い。色系や竜系の合成すると何かが起きるタイプの特性は完全に無視してしまった……。あと1回調合すると全ての効果が開示されるのはかなり楽で良かったし、積極的に新しい効果を使っていこうという気にさせてくれる。

レシピ発想システムは好きだったので復活してくれて(というか不思議シリーズとして続投してくれて)うれしい。煩雑だという批判も結構目にするし実際ちょっと面倒ではあるんだけど、そういうところも含めて錬金術をしている感が出ていて良いと思う。発想システムと言えば、ソフィーにあった謎ポエムで発想するやつがあったのは嬉しかった。よく分からんけど好きなので……。

フレーバー面で言うと、ソフィーとプラフタの切り替えができるのはフレーバーとしては好きだけどあまりシステムとしての意図が分からなかった。錬金レベルも別々に管理されてるけどごく一部のレシピ発想以外には絡んでこないし、キャラによって能力に差があるわけでもないし……。

探索

広々としていながらも一面にオブジェクトが配置してあって飽きないフィールドは、フィリスのような探検している雰囲気が出ていてとても良い。リディスーやライザ2では単調なフィールドを歩き回らされる感が強くて飽きが来てしまったけど、今回は全然そんなこともなく最後まで楽しく探索できた。採取もライザのいろいろな種類の道具を使う楽しさをそのままに、道具を装備しておくだけで適切なものを使ってくれるシステムになっていていい感じ。着実に良いところを伸ばして進化していると感じる。ファストトラベルも使いやすくて良い。あ、ライザ2では箱やツボが密集してるところで杖を振ると複数いっぺんに破壊できて気持ちよかったけど、それができなくなってたのはちょっとだけ残念だった。

天候操作のギミックはちょっと煩雑ではあるけど、とても頻繁に使うわけでもないのでいい塩梅だと思う。錬金術で環境を変えるのは楽しいしね。人工太陽とか……。ジャンプで通れるところは全体的にちょっと分かりづらくて見つけるのに時間がかかることが多かった。特に轟雷宮の雷で浮く足場にジャンプできるところは、視覚的にも手がかりがほとんどなくて10分くらい悩んでしまった。

シナリオ・キャラクター

王道RPGっぽい世界を救う系のシナリオ。ライザのときも思ったけど、ドラクエ等と違って主人公に明確な人格があるせいか、どうも強制的にシナリオを歩かされているように感じてしまう。ライザ以前のアトリエはだいたい主人公が自分のやりたいことを突き詰めていったら成り行きで事件に巻き込まれたり世界を救ってしまったりという構成になっていて、プレイヤーとしても自分で決めて動いてる感があって良かった。そういう意味ではアレットやディーボルトはサイドストーリーでもずっと自分のことばかり話しているので一番アトリエっぽい。特にディーボルトにはエルデ・ヴィーゲにズメイを創り出した張本人で、間接的にせよ夢の核を壊しかけるほどには好き放題してるし、ずっと悩んでるし……。本当はこいつが主人公なんじゃないか?

あと面倒なオタクなので時間が絡むギミックを見ると色々いらんことを考えてしまう。エルデ・ヴィーゲにいる間は現実の時間は経過しないって言うけど、じゃあ外から見るとエルデ・ヴィーゲに行った人が突然精神的に成長したように見えるの?とか(書いてて思ったけどリゼロの死に戻りみたいだな)、歳を取らないのに肉体を鍛えたりできるの?とか(精神的なものは魂がある世界なのでどうとでもなりそう)。プラフタの記憶に関しても曖昧にされるのかと思いきや、さすがにそこはきちんとシナリオ中でも突っ込みつつ回収してくれたのは良かった。整合性を取るためとはいえプラフタが記憶を消す選択をしたのは納得してないけど……。でもプラフタが記憶を持ち帰ったらそれはそれで、ルアード視点ではプラフタが突然大量の知識を得て遠くに行ってしまうように見える訳でかわいそうだよね……。ルアードが根絶にハマッた原因をその辺りに持ってくるのかとも思ったけど、そんな残酷な展開ではなかった。

サイドストーリーはどれも良かった。みんな大人しめ、かつキャラ同士の絡みが少ないので強烈に尖ったストーリーはないけど、夢を叶える途上での日常生活を覗き見ているという感じで、本当にロイテールで暮らしているように感じられて楽しかった。こういう日常描写はやっぱりソフィーの系譜っぽい。大人しめで日常寄りというとロロナっぽくもある。ソフィーとラミゼルのストーリーは作品のメインテーマだけあってやっぱり面白かった。メインキャラじゃないけどカティさんも。知識を溜めるのって楽しいよね。

キャラ設定に不思議シリーズの他作品を彷彿とさせるところが結構あるのでなんか関係性があるのかなとも思ったけど、大部分は触れられずに終わったので邪推し過ぎかなと思う。アレットとオリアスの関係性がスールとマティアスっぽいとか(特にツインアクション時の「オリアスを盾に突っ込む!」ってセリフとか)、ピリカの美的センスがフィリスっぽいとか、カティさんのやってることがカルドさんっぽいとか。まあ変にソフィーを中心にした関係性を増やされてもご都合主義っぽくて萎えてしまうので、触れないくらいでちょうどいいと思う。

キャラのモデルやモーションはどこを取ってもかわいくて / かっこよくてすごい。ソフィーが口を三角形にしてる表情が好き。ツインアクションの後衛側でコマンド入力待ちしてるときの澄まし顔もめっちゃかわいい。モーションもかわいい。プラフタのスカートのもこもこ感もかわいい。

フレーバー

不思議シリーズといえばフレーバー。サイドストーリーの生活感やフィールドの探索感もさることながら、図鑑コメントが相変わらず熱量高い!今回はレシピ発想にも別途コメントが付いているという気合の入りようで、レシピ発想が楽しみになる理由の一つでもあった。ソフィーが既に知ってるアイテムは最初から開示されていたり、錬金レベルが50から始まっていたり、一方のプラフタはレベルが低かったりというシステムの要素を使ったフレーバーがうまい。

シナリオが進むとロイテールの人々がだんだん夢を叶えていくのも好き。

音楽

アトリエシリーズといえば音楽。ソフィーの楽曲のアレンジがあったり、雰囲気を引き継いだりしている曲が結構あるものの、ダンジョンはフィリスやリディスー、町やイベント楽曲はライザに近いと思った。曲調というよりは楽器編成による所が大きいのかな?ソフィーの「白地図をてに」や「春風のポーレチカ」みたいにいつまでも耳に残る曲こそないものの、サントラを聞くとどの曲も情景が蘇ってくるのでやっぱりアトリエだなあと思う。この感覚はリディスーと似てる。

Syndetos(OP楽曲)の変拍子がすごく好き。拍子が変わるところのムービーが躍動感にあふれていて楽曲とぴったり合っている。あとやっぱり記憶に残ってるのはどこかの隙間で・いつかの隙間で(ロイテールのBGM)。不思議シリーズ全般の街で暮らしている感は本当に好き。春告鳥(戦闘曲)も良い。きらめき跳ねて(アレット曲)もアトリエらしい明るい曲で印象に残ってる。

不思議シリーズだし図鑑コメントも充実してるので、楽曲コメントもあるかなと期待してたけど無かったのは残念。

まとめ

総じてかなり楽しいゲームだった。事前情報が出た段階ではせっかく綺麗に終わった不思議シリーズの続編なんて作って大丈夫か?とも思っていたけど、どこを取ってもちゃんと不思議シリーズとして納得のいく構成になっていて良かった。